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使いこなす・使いこなせない 後編 [カメラ]

そもそも、使いこなさなくてはならないのだろうか。高性能なカメラを手に入れると、使いこなさないと損をしている、といった思いを抱く方がいる。先に言ったとおり、高性能・高機能のカメラは、様々なシチュエーション、様々な撮影目的に対処できるようになっているが、何も全ての機能を使わなくてはならない訳ではない。仮に全自動で撮っていたとしても、高画素・高感度特性・耐久性などの恩恵は自然と享受している。確かに、使いこなしてはいないのかもしれないが、今後使いこんでいく余地がたくさん残っているとも考えられ、自分にとって永く楽しめる機種だというように考えることもできるのではないか。あくまで我々アマチュアは、趣味として楽しむのであり、ましてや「使いこなしている」基準や尺度などは、有るような無いようなものなのだから、悲観することも躊躇することもないと思う。
最後に先日、知人から相談を受けた時のことを書いて、この「使いこなす・使いこなせない」の記事を閉めたいと思う。
40Dで自分の息子のサッカーを撮っていたその知人は、今度1D3かその後継機に買い替えようか、と悩んでいる。悩んでいて踏ん切りがつかないのは、「使いこなせないのでは」という不安があるからだ、とのこと。その彼の質問に、私は以下のように答えた。

「使いこなせないのでは」というのは、諦めるための方便に使っていませんか。もう既に1年以上、40Dで撮り続けてきた知識と経験が、貴方にはあります。それは上級機を購入したとしても、決して無駄になることは有りません。確かに、そういった上級機を手にしたら、更なる機能や使いこなしの部分で、努力や工夫が必要になると思いますが、ゼロから始めるのではなく、これまでの40Dでの知識や経験の上に積み重ねていけば良いわけです。ゼロの状態から40Dを手にした時も、それ相応の努力をされたと思います。そうでなければ、1年以上こうして続けてこれなかったでしょうから。それに比べれば、40Dから上級機へのステップアップに伴う努力と工夫は、それほど大きなものではないと思います。ましてや、40Dを使いつつも上級機購入への興味があるということは、意欲がある、ということと同意です。1D系はプロ機と言われていますが、プロしか使ってはいけないというわけでも、プロレベルの腕で無いとその性能が享受できないというわけでもないと思います。これまで同様に、意欲を持って続けられるのでしたら、ぜひお勧めしたいですね。そして40Dの時に撮れなかった画が撮れたなら、それはボディを買い替えたせいなのか、それに伴って腕が上がったせいなのか、分かりませんが、趣味を楽しむアマチュアカメラマンとして、これ以上ない喜びではありませんか。

その後、彼がどういった選択をしたか、定かではありませんが、「使いこなす・使いこなせない」という損得の尺度でのみ判断せず、今しか撮れない写真を撮る、という楽しみの側面でも考えて欲しいと思っています。
使いこなす3.jpg

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