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少年サッカーの撮影 その34 [少年サッカーの撮影]

下の作例
1D3+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS       焦点距離 180mm
F8.0   SS 1/640   ISO 200    評価測光   露出補正 +1/3   AI SERVO AF  JPEG
少年サッカー34-1.jpg

上の写真は失敗写真。こんな撮り方をしてはいけない。これでは、「サッカーをやっている風景」になってしまう。
まず、この写真で撮りたかったのは、どの子だろう。中央のボールを扱っている子に違いない。それにしては、画の中で狙った被写体が小さい、そのため余計なものが画面内に多く入り込んでいるので、撮りたいと思った被写体から受けるインパクトが薄すぎる。では、もっと寄れなかったのか、といえばそうではなく、EF100-400のレンズを使って、180mmあたりの焦点距離を使っている。実はもっと寄れた(大きく撮れた)はずなのだ。ではなぜそうしなかったのか。それは、動きまわる被写体がファインダーから外れることを恐れて、つい引いて撮ってしまいがちな、初心者の方によくあるケース。
次に、晴天の屋外にも関わらず、ISO200にしてF8.0にて撮っている。つまり、ピントが多少ズレてもよいように被写体深度を深くして撮影しよう、という意図が見える。そのせいで、背景や余分なものがボケず、うるさい印象を与えてしまい、これも狙った被写体を薄くしている原因になっている。ファインダー内で被写体が小さいから、AFフレームを狙ったところに合わせにくくしている、その対処法として絞って被写体深度を深めているのかもしれないが、それではいつまでも満足した画は得られない。
AFが遅い、ピントがずれている、と機材のせいにする人がいるが、まずはしっかりとAFに仕事をさせているのかどうかを確認した方がよいと思う。後でトリミングするから被写体が小さくても構わない、そうだろうか。トリミングして、使える写真になるには、まずピントがしっかり来ていないと話にならない。その点において、不規則に動く被写体で、AFフレームに対して狙った被写体が小さくては、どうしても正確に合わせることは困難になる。上記の写真では、ファインダー内でAFフレームの大きさ自体が、狙った選手の上半身に相当する。これでは、動き回る被写体に正確に追従することは、なかなか難しい。被写体をファインダーから逃がさないように小さく撮ることは、実はピント面で安全策ではないばかりか、逆効果であることが分っていただけるだろうか。
ファインダー内で被写体が小さいと、シャッターチャンスにも影響する。この写真の狙った選手は下を向いている。下を向いた顔を撮りたかったわけではなかろう。以前にも書いたことがあるが、一瞬上(前)を見る瞬間がシャッターチャンスなのだ。そんな一瞬のチャンスも、ファインダー内で被写体が小さいと撮り逃がす確率が高い。わざと意図した場合を除いて、こうした被写体を小さくすることによるメリットは少ない。
この写真をよく見ると、逆光状態なのが分かる。撮影場所は学校のグランドだが、もっと撮影ポジションを考えられなかったのだろうか。何も順光で撮るばかりが全てではないと思うが、この背景の煩雑さを考えても、このポジションがベストとは言えまい。撮影に集中するあまり、ほとんど移動しないで定点撮影している方を見かける。サッカーは広いグランドを、選手もボールも常に動いているのだから、許されるならドンドン撮影場所を変えて、その時々のベターなポジションを探って撮るべきだと思う。もちろん、試合によっては撮影場所を規制されたり移動できなかったりする場合もあるので、一概には言えない。が、一試合撮ってみて、自分がどのくらい移動したか振り返ってみると、意外と動いていないことが多いのではないだろうか。

少年サッカー34-2.jpg

少年サッカー34-3.jpg

少年サッカー34-5.JPG


上の1枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 125  AI SERVO AF  RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L Ⅱ
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +2/3  ISO 125  AI SERVO AF  JPEG
3枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L Ⅱ
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +1/3  ISO 100  AI SERVO AF  JPEG

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