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少年サッカーの撮影 その14 [少年サッカーの撮影]

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試合ごとに会場へ赴き、チームの選手たちのプレーに一喜一憂しながら、レンズを向けていると、「選手全員を撮ってあげたい」「選手全員の、いい表情、いいプレーを撮ってあげたい」と思う。それが必ずしも「良い写真」(作品としての)にはならないかもしれない。チームのカメラマンと作品撮りのカメラマンでは、動機も目的も違うのだけれども、アマチュアでは明確に区別する必要も無いから、兼務しながら、時々意識を切り替えながらの撮影を続けている。
サッカーはボールを足で操る競技だ。ドリブルする時も、ボールを蹴る時も、基本的にボールは地面の上にあるし、選手がそれを見ている、つまりは下を向いている時間が多い(特に小学生低学年)。この状態でシャッターを切っても、顔が下を向いているので、表情がよく分からなかったり、影で暗くなっていたり、イマイチ見栄えのしない写真になってしまう。撮った写真をその選手や保護者に渡すにしても、チームの記念や記録にするにしても、作品としてみても、選手の表情は大切だ。ボールを画の中に入れたいし、しかも選手には顔を上げて欲しい。
サッカー経験者の方々なら分かると思うが、小学生だと、これがなかなか難しい。というか、自分の周りの状況を確認しながら、パスを出したりもらったり、ポジションを変えたりするのがサッカーだから、ボールを扱っている時も顔を上げられないといけない。ただ選手なら誰でも最初からできるわけではなく、スキルアップと共にできるようになる。つまり上手い子ほど、ボールを扱っていながら顔を上げている時間が長く、そういったシーンを撮りたいカメラマンはつい撮ってしまうので、上手い子ほど枚数多く撮れてしまう。

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撮影ポジションが選手と同じグランドレベルだと、ちょっと姿勢を低くするだけで随分違う。プロカメラマンが低い椅子に座って撮影しているのはそのためだ。椅子に座ってしまうと移動しにくいので、私は移動しつつ、立ったりしゃがんだりの繰り返しだが、これは結構体にこたえる。スタジアムの観客席からの撮影となると、見下ろす形になるので、いっそう難しくなる。狙い目は、ボールが高く上がった瞬間。必然的にボールを追うので眼を向ける選手の顔も上がり、ボールに絡むダイナミックなシーンを得られることが多い。私の最も好きな瞬間だ。
たとえパスミスしていようが、シュートを外していようが、ボールと向き合い、その必死で真摯な表情をしっかり捉えることができれば、作品としてはもう一工夫も二工夫も必要かもしれないが、その子や保護者にとっては、貴重な写真になることが多い。私もそうした写真をこれからも撮り続けていきたいと思う。その為には、数秒のうちに一瞬だけある「顔を上げる瞬間」を撮り逃がさないことが重要だ。最適な撮影ポジションを求めて動き回り、一瞬のシーンを切り撮るために集中する。スポーツを撮るのもスポーツだ、と言われる所以である。

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1枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF300mm F2.8 LⅢ+EF1.4xEXTENDERⅡ
2枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS
3枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS
4枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ+EF1.4xEXTENDERⅡ

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