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少年サッカーの撮影 その18 [少年サッカーの撮影]

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私はサッカー撮影で親指AFを使っていない。その理由は、親指AFのメリットである、置きピンへの転換の早さやピント固定での構図変更の容易さ、そういったケースがサッカー撮影において、意外と少ないからだ。

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置きピン、つまりはピントを1点に固定して、そこでチャンスを待って撮る、ということが、サッカー撮影でどのくらいあるか。考えられるのは、PKの時、コーナーキックやフリーキックの時だろう。そんなシーンはサッカーの試合中に必ずある。しかし大部分は、動き回るサッカー選手を撮っている。そうしたセットプレーにしても、置きピンが使えるのは一瞬であって、その一瞬後にはすぐに連続した動体撮影になるのである。ピントを固定したまま構図を変えて複数枚撮る、そういったシーンも確かに有る。有るけれど、やっぱり大部分の時間は、AI SERVO AFで動き回る選手を撮っているのだ。こうしたサッカー撮影で親指AFを使う場合、親指を押してAF駆動している時間はかなり長い。親指を離してAF駆動せずにシャッターを切れるメリットを享受できる瞬間というのは、サッカー撮影では実は意外と数少ないシーンであることに気付いたから、私は親指AFを採用していない。

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ただ、AF駆動とシャッターを切るという操作を切り離すメリットは認識しているつもりだ。なので私は、このカメラ背面にある親指で押せるボタンに、AF-OFFにする機能を割り当てている。つまり、圧倒的に長いAF駆動しながらシャッターボタンを押すという行為に対して、デフォルトのシャッターボタン半押しでAF駆動という設定を採用しながら、1試合に何回かある僅かなAF駆動させずにシャッターを切りたい場面にのみ、親指を押すという操作で対処する。私はこの方法でこれまで撮ってきた。その方が実戦に沿っていると思うし、何より親指が疲れない。
既に現在のCANON機には、背面に「AF-ON」専用ボタンが付いている。これはそれだけ、親指AFに対する需要があるからだろう。私もここで、この親指AFを否定するつもりはない。ただ、スポーツを撮るプロカメラマンのテクニックとして紹介されて以来、親指AFをマスターすることが上達の早道、これを使える人が上級者、スポーツ撮影には必須、というような風評があるように思える。そして、親指AFを使えばAFが早くなる、精度が上がる、決定的瞬間をものに出来る、失敗が少なくなる、自慢できるような良い写真が撮れる、というように思い違いをされているようにも思える。くどいようだが一番最初に書いたように、AF性能(速さや精度)は、使用ボディとレンズとの組み合わせで決まり、親指AFにしたからといって、それは駆動ボタンを変えるだけで、性能が上がるわけではない。良い瞬間を切り撮れるか、満足できる画が得られるかどうかは、その人の技量やセンスなどによるもので、親指AFにしたからといって、得られるものではない。

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プロスポーツカメラマンは、必要な技術と思えば習得するし、必要な機材と思えば使いもする。30m先の被写体を大きく撮るのに必要だから、400mmや500mmのレンズを使う。技術やセンスの未熟な人が、プロと同じ道具を使ったからといって、同じような画が得られる訳ではない。それと同様に親指AFも、形だけ真似たところで、充分な知識と経験が無ければ、悩む元となるかもしれないし、足枷になるかもしれない。サッカーを撮って、家に帰ってパソコン画面で撮った写真を見てみて、ピントのヒット率が50%未満の方は、親指AFにするべきではないと思う。その前にやるべきことが有るはずだ。それ以上の方は、親指AFも含めて、いろんなやり方を取捨選択して、自分なりのスタイルを確立していくべきだと思う。私は、親指AF-OFFで今後も撮っていこうと、今のところ思っているが。

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1&2枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ
3枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ+EF1.4xEXTENDERⅡ
4枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 LⅡ
5枚目:CANON 1D MarkⅡ+EF300mm F2.8 LⅢ+EF1.4xEXTENDERⅡ

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