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熱帯魚店の値付け その6 [熱帯魚]


オープンプライスの熱帯魚の値段のつけ方の続きである。
では、もっと大型で高額な魚はどうだろう。代表的なのはアジアアロワナ。15~20cmサイズが10~30万円で売られている。こうした高級魚は、死なれたら店も問屋も手痛いので、万全の体制で送られてくる。送料もそれなりにかかるが、魚の単価が高いので、送料の比率は無視できる。同じ比率で値段を付けても、一匹の価格が高いので、一匹売れるだけでかなりの儲けがでる。最近は、一口にアジアアロワナといっても、種類も豊富になってきたから、一概にはいえないが、それでもこの儲けはネオンテトラの何千匹分に相当するだろうか。
店としては、こうした高額な魚が沢山売れてくれることが望ましいが、現実はそんなに甘くない。こんな高額な熱帯魚を買う人は、ごく限られていて、決して多くない。そしてこんな魚を買う人も、何匹も買うひとは極少だ。たいてい一匹買ったら、その人はそれでオシマイ。あとはせっせとエサを買ってもらうくらいだろう。小魚を数十匹飼っている人はいるだろう。60cm水槽を数本持っている人もいるだろう。しかし、アジアアロワナを数匹飼っている人は極少、120~180cm以上の水槽を数本持っている人は極少。買ってもらった時は大変嬉しいが、その人から何度もそんな喜びは得られない(たいてい一度きり)。
大型水槽(180cm以上)も、昔に比べたら安くなったが、それでも今の日本の住宅事情から考えると、多くの人には夢物語。そんな大型水槽に、大型高級魚を複数入れて飼うという人は、店にとっては優良客だが、滅多にいないし、その後も継続して買ってくれる訳ではない。だいたいそんな魚は長寿だし、丈夫だし。だから店としては、そんな優良客をあてにして商売はできない。そんな優良客が毎月現われてくれるはずがないから。
熱帯魚を飼っている7~8割の人たちは、小魚を飼っている。そして店は、そうした安価な小魚を、せっせと販売することで、店を維持できるように考えなければならない。こうした大型魚で店を維持するのは、なかなか難しい。特に地方では。
 


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